JIS C 8511-1993 (アルカリ一次電池)「参考 取扱い上の注意事項」抜粋
充電 | 充電用として作られていないので、充電すると、液漏れ、破損のおそれがある。 もし、充電によって電池内部にガスが異常発生した場合、内圧が高まり、漏液、破損するおそれがある。 また、充電電流が過大であると、ガス発生が大きく、電池が破裂する危険性がある。 特に、未使用電池を充電した場合、漏液、破損、破裂などの発生率が高くなるので注意が必要である。 |
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装てん | (+)、(-)を正しく入れること。 2個以上の電池を使用する場合、例えば、そのうち1個の+、-を逆に入れると、電池全体の性能を十分に発揮できないばかりでなく、直列使用の場合、機器のスイッチを閉じると、逆に入れた電池が他の電池によって充電される。 また、直並列使用の場合、電池を逆に入れると、機器のスイッチの開閉に関係なく、電池が他の電池によって急激に充電されることになり、「充電」と同様な現象が起こり得る。 |
混用 | 他の種類の電池や使用済み電池と未使用電池を混ぜて使わないこと。 電圧や形式の異なる電池を混ぜて使うと、機器が正常に動作しないばかりでなく、それぞれの放電性能が違うので、早く消耗した電池が過度の使用状態となり漏液の原因ともなる。 また、未使用電池と使用済み電池、又は使いかけの電池を混ぜて使うと、古い電池が過度の使用状態となり、不経済なばかりでなく、漏液の原因ともなる。 |
ショート | 電池の(+)、(-)をショートさせないこと。 +、-を電線や他の金属類でショートすると、一時に過大な電流が流れ、発熱のため構造を破裂したり、漏液や破裂などを起こすおそれがある。 また、ボタン形の電池などは、電池が互いに重なり合うと、ショートすることがあるので注意すること。 |
加熱 | 電池を加熱しないこと。 電池を直接ストーブなどの上で加熱すると、温度上昇によって使用している樹脂部品の溶融変形を生じ、漏液、内部短絡などの異常を生じることがある。 また、過度に温度が上がって電池の内圧が高まり、破裂することがあるので危険である。 |
はんだ付け | 電池端子に直接はんだ付けすることは、避けたほうがよい。 特に小形の電池端子に直接はんだ付けをすることは、電池を加熱することになり、「加熱」で述べたことと同じ理由で避けたほうがよい。 |
火中投入 | 火の中へは電池を入れないこと。 電池を破棄するときに、たき火などの火中に投棄すると急激に加熱され、「加熱」で述べた以上に危険である。 |
分解 | 電池を分解しないこと。 無理に電池を分解しようとすると、手指を傷つけたり、また、この電池系には濃アルカリ液が使用されているため、液が付着すれば衣服の損傷や皮膚のただれを起こすばかりでなく、分解するときに内部のガスと共に液が飛び出して目に入った場合には、失明するおそれがあり危険である。 漏液した電解液も同じく直接人体に触れさせないこと。もし、触れた場合には速やかに水で洗い流すこと。 |
小形の電池は、幼児が口に入れやすく、ときには飲み込んでしまう事故が起こるおそれがある。そのために小形の電池の包装には“電池は幼児の手の届かない所に置くこと。万一飲み込んだ場合には、直ちに医師に相談すること”を内容とする注意事項が表示されている。
電池室 | (1)4.で述べたことに関して、特に小形の電池を使用する機器の電池室のふたはドライバーなどを用いないと開かないようにし、幼児がもてあそんでも電池がこぼれないようにすること。 (2)電池室及び接点の寸法及び形状は、JISに規定された電池が適合するように設計されていること。 (3)電池室を機器室から完全に独立できないときも、万一の漏液による損傷が最低になるような位置に設けること。 (4)機器には明確かつ容易に消えないように、電池の正しい装てん方法を表示すること。直並列又は並列接続は、配列を誤ると、スイッチが切れていても電池は連続放電や充電することがあるので、特に注意すること。 (5)機器には、その機器に適合する電池の種類、形状及び希望を容易に消えないように表示すること。 |
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接点 | (1)JISで規定された公差限界寸法の電池を使用しても電気的接触が完全であるように、接点の材質及び形状の選択に注意を払うこと。 (2)附属回路は、接点以外の部分で電池と電気的接触をしないように配慮すること。 (3)接点の構造はできるだけ電池の+極、-極の形状の差異を利用して、逆装てんができないようにすること。 |
代替電源 | 外部代替電源を利用するときは、一次電池が充電されることがないように設計すること。 |