携帯情報端末機器測定用広帯域電波暗箱を開発


1999年8月30日
富士電気化学株式会社

携帯情報端末機器測定用広帯域電波暗箱 富士電気化学株式会社は、横浜国立大学新井宏之・助教授と共同で、全く新しい原理に基づく広帯域電波暗箱を世界で初めて開発しました。本製品は、小形シールドボックス内部にランダムな電界分布を形成し、測定値を統計処理することにより、携帯情報端末機器等の通信機器より輻射される電力レベルや不要輻射電力(ノイズ)を、1GHzから約10GHzまで広帯域にわたり、安定したレベルで測定することができます。従来、高価な電波暗室やオープンサイトを利用しなければならなかった測定も、この広帯域電波暗箱を用いることにより、高精度、短時間、低コストで、しかも簡便に測定可能となります。


[測定原理] 暗箱内の小形テーブルに被測定試料を乗せ、これを回転させて、ランダムフェージングを作り、その受信電力の累積確率分布の中央値を求めることによって、アンテナの指向性等による受信電力レベルへの影響を低減し、安定した送受信レベルを測定できるようにしたものです。
 
[特徴] ・広帯域で安定した測定レベルを実現(1GHz~約10GHz)
・超小形で高性能を実現(実験室内に設置可能)標準サイズ:50cm x 50cm x 100cm
・電磁波(ノイズ)の高性能シールドを実現。
 
[用途] ・携帯電話、PHS、無線LAN等の輻射電力測定(不要輻射ノイズの測定)
・通信機器等の受信感度試験等にも適用可能。

 当社は、従来より携帯電話や無線LAN機器等の開発や生産ラインにおける性能試験用として、1.5GHz帯用や2.5GHz帯用等の単一周波数帯用の電波暗箱Rを販売し、ご好評をいただきましたが、より多様化するお客様のニーズに対応するため、このたび、従来の電波暗箱に加えて、さらに広帯域タイプの電波暗箱をラインアップいたしました。なお、本内容は、来る9月7日から日本大学船橋校舎で開催の電子情報通信学会で発表する予定です。また、本製品は、今秋11月に販売の予定で、広帯域アンテナ、および測定ソフトをオプションとして整備し、測定器と組み合わせたトータルシステムとしての販売を考えています。
 

戻る

 このサイトについて | 個人情報保護ポリシー | Cookieの使用について