アルカリ乾電池の安全な使用に関する注意事項

アルカリ乾電池は、正しく使用した場合には安全で信頼できる電源でありますが、万一、誤った取扱い方をされますと、電池が漏液、発熱、破裂する場合がありますので、以下の点に注意してください。
警告
  • 電池のアルカリ液が目に入ったときは失明などのおそれがあるので、すぐに多量のきれいな水で洗い流し、医師の治療を受けてください。
  • 電池は、乳幼児の手の届かない所に置いてください。万一、電池を飲み込んだ場合は、すぐに医師に相談してください。
  • 電池を火の中に入れたり、加熱、分解、改造しないでください。絶縁物やガス排出弁などを損傷させたりして、電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池の⊕と⊖を逆にして使用しないでください。充電やショ-トなどで異常反応を起こしたりして、電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池のアルカリ液をなめた場合には、すぐにうがいをして医師に相談してください。
  • 電池のアルカリ液が皮膚や衣服に付着した場合には、皮膚に障害を起こすおそれがありますのですぐに多量の水道水などのきれいな水で洗い流してください。
  • 電池の⊕と⊖を針金などで接続したり、また金属製のネックレスやヘアピンなどと一緒に持ち運んだり、保管しないでください。電池がショ-ト状態となり、過大電流が流れたりして電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 新しい電池と使用した電池や古い電池、銘柄や種類の異なる電池などを混ぜて使用しないでください。特性の違いから、電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • この電池は充電式には造られていません。充電すると絶縁物や内部構造などを損傷させたりして電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 使い切った電池はすぐに機器から取り出して処分してください。使い切った電池を機器に接続したまま長期間放置しますと、電池から発生するガスにより、電池を漏液、発熱、破裂させたり、機器を破損させるおそれがあります。
  • 長期間機器を使用しない場合には、機器から電池を取り出してください。電池から発生するガスにより、電池を漏液させたり、機器を破損させるおそれがあります。
注意
  • 電池の外装ラベルをはがしたり、傷つけないでください。電池がショ-トし、漏液、発熱、破裂するおそれがあります。
  • 電池を落下させたり、投げつけたりして強い衝撃を与えないでください。電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池を変形させないでください。絶縁物やガス排出弁などを損傷させたりして、電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池を完全密閉構造の機器に使用する場合は、機器の取扱説明書の指示に従ってください。
  • 電池に直接はんだ付けしないでください。熱により絶縁物やガス排出弁などを損傷させたりして、電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池は、直射日光の強い所や炎天下の車内などの高温の場所で使用、放置しないでください。電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池を保管する場合及び廃棄する場合は、テ-プなどで端子部を絶縁してください。他の電池や金属製のものと混ぜると、漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池の使用、保管時に発熱、変形、外装ラベルの破損など今までと異なることに気づいたときは、使用しないでください。電池を漏液、発熱、破裂させるおそれがあります。
  • 電池を水などで濡らさないでください。電池を発熱させたり、電池端子にサビを発生させるおそれがあります。
  • 電池は、使用機器によっては仕様や性能が合わない場合があります。機器の取扱説明書や注意書に従って、用途に適した電池を正しく使用してください。
  • 電池は直射日光・高温・高湿の場所を避けて使用、保管してください。電池を漏液させるおそれがあります。また、電池の性能や寿命を低下させることがあります。
  • 非常用機器や非常用として使用されている機器に使用の電池は定期的に点検ください。いざと言うときに機器が使用できなくなったり、電池の漏液で機器を破損させるおそれがあります。
  • 本電池は、一般の不燃ごみとして捨ててもよいことになっています。自治体の条例などの定めがある場合には、その条例に従って廃棄してください。なお、9V角形電池など端子形状によっては外部ショートする可能性があるため、電池を廃棄するときはテープなどで端子部を絶縁してください。

荷扱い、輸送、陳列、保管および廃棄上の注意事項

  1. 電池包装箱を乱暴に扱わないでください
    電池包装箱を乱暴に取り扱うと電池が損傷、変形して、その電気性能が劣化したり、又漏液、発熱、破裂などのおそれがあります。
  2. 電池は換気のよい、乾燥した涼しい場所に保管してください
    電池を高温・高湿の場所に保管すると、電池性能が劣化したり、漏液を促進したりすることがあります。保管温度は10°C∼25°Cが適切であり、30°Cを超えないことが望ましいです。極端な湿度条件(例えば相対湿度が95%以上)に長期間置くと電池や包装に害を与えるので、これを避けるようにしてください。
  3. 電池包装箱を規定の高さ以上に積み上げないでください
    下段の包装箱の中にある電池が変形して漏液することがあります。
  4. 電池を倉庫に保管するとき又は店頭に陳列するときには、長期間の直射日光及び雨水を避けてください
    高温にさらすと、性能劣化が大きくなったり、漏液が起こりやすくなります。又、電池が水に濡れると、絶縁抵抗が減少して、自己放電が起こったり、サビが発生することがあります。
  5. 包装していない電池は機械的損傷や外部ショートを避けるために、ごちゃ混ぜにしないでください
    包装していない電池をごちゃ混ぜにすると、機械的に損傷を受けたり、外部ショートを起こして発熱することがあり、漏液や破裂を引き起こすおそれがあります。これらを避けるために、使用するまでは、包装したまま保管してください。
  6. 輸送、陳列、保管など流通においては、先入れ、先出しを励行し、長期間の在庫とならないよう注意してください

電池応用機器設計上の注意事項

  1. 技術的連携
    電池応用機器の製造業者は、電池業界と緊密な連携を取ることが望ましいです。機器設計着手時点で、既存電池の性能・特性に十分配慮してください。できる限りJIS C 8515に規定する電池を選択してください。機器には、最適な性能を発揮する電池のJIS又はIEC規格の形式、等級および大きさを明瞭に表示してください。
  2. 電池室
    1. 電池室は容易に開閉できるようにしてください。又、電池の装填が容易にでき、容易に脱落しないように設計してください。電池室の寸法、形状および端子の設計は、JIS C 8515に規定する電池に適合させてください。特に、他の国家規格又は電池製造業者がより小さい電池公差を要求してきても、機器設計者はこの規格に与えられた公差を無視しないでください。
    2. 電池の負極端子面が、円筒側面からくぼんでいる電池形状も許容できるように、電池室の端子を設計してください。
    3. 乳幼児用機器の場合、電池室のふたを乳幼児が簡単に開けることができないように設計してください。
    4. 使用する電池の種類、正しい極性方向および装てん方法を明確に指示してください。
    5. 電池の逆装填を防止するように、電池の⊕および⊖端子の形状および寸法をうまく利用して設計してください。電池の装填時に、間違えないようにするため、電池室の⊕端子と⊖端子とでは、外観上の形状が異なるようにしてください。
    6. 電池室は、電気回路から絶縁してください。又、損害および傷害の危険性をできるだけ小さくするような場所に配置してください。電池の端子だけが電気回路と接触するようにしてください。JIS C 8515に規定する最大又は最小寸法の電池を装填しても、良好な電気的接続を保つよう、接点の材料選択および形状設計に注意してください。電池室の接触端子部は、電気抵抗の小さい電池端子と同じ材質の材料を用いてください。
    7. 電池の並列接続配置は、誤装填によって連続的に放電されることがありますので、好ましくありません。
    8. 電池の耐漏液性能は改善されてきていますが、漏液がまれに起こることがあります。電池室を機器室から完全に分離できない場合には、漏液による損傷をできる限り避ける位置に電池室を設けるようにしてください。
    9. 電池室には、明りょうに、又、消えないように電池の正しい装填方法を表示してください。電池が逆装填された場合、漏液、破裂、発熱などのおそれがあります。この事故を避けるため、電池が逆装填された場合、電気回路が接続しないように、電池室を設計してください。
    10. 附属回路は、接続する箇所以外、電池のどの部分とも接触しないようにしてください。
    11. 設計者には、安全性に対する理解を深めるために、 JIS C 8514を参照することを、強く推奨します。
  3. 作動停止電圧
    電池の過放電漏液を防止するために、機器の作動停止電圧は、電池製造業者が指定する値以上にしてください。