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分析解析技術

当社では、自社で開発した技術の有効性確認やベンチマーク調査に必要な評価として、分析解析技術を用いています。電池の特性評価と結び付けて反応/劣化解析を行い、課題解決を支援して設計開発に生かしています。

非破壊試験(X線CT)

電池にX線を照射し、通過したX線量の差をデータとして集め、コンピューターで処理することによって電池内部の像を構成することができます。例として、当社で量産している同じ単3形電池をCT装置で3方向から観察した像です。

X線CT装置

ニッケル水素電池のCT像

ニッケル水素電池は、灰色の厚い正極と白色の負極がスパイラル状に巻回される構造であることが分かります。白く見える部分は金属である水素吸蔵合金で、灰色部分は酸化物、主に水酸化ニッケルです。正極と負極を隔離するセパレーターはPP/PEからなる不織布であり、CT像では残念ながら観察できません。

ニッケル水素電池のCT像

アルカリ乾電池のCT像

ニッケル水素電池がスパイラル構造であるのに対して、アルカリ乾電池は、亜鉛極が中心部(IN)にあり、マンガン極が外周部(OUT)にあるインサイドアウト構造をとっているのが分かります。マンガン極は、二酸化マンガンと導電材のカーボンを混合して押し固めたペレットになっていますが、亜鉛極は、金属Znをゲル状の材料を用いており、中心には、金属からなる集電子が観察できます。

アルカリ乾電池のCT像

リチウム電池のCT像

リチウム電池は、ニッケル水素電池と同様にスパイラル構造をとっていますが、電極の厚みがニッケル水素電池より薄く巻き数が多いことが分かります。正極はエキスパンドメタルを使用しているため、CT像では破線のように見えており、その周囲を二酸化マンガンを中心とした層が覆っていることが分かります。

リチウム電池のCT像

破壊試験(電池を解体して調査)

調査したい電池を解体し、SEM(EDS)やXRD等を用いて電池の劣化状態等、物としての違いを調査します。

SEM/EDS装置