正極材料
高性能な正極材料
ニッケル水素電池の正極材料には、充填性の高い約10μmの球状水酸化ニッケルが用いられています。
導電剤としては、一般的には、水酸化コバルトが用いられ、図に示すように電池の中でアルカリ電解液に溶けて水酸化ニッケルの表面を被覆します。
水酸化コバルトは、最初の充電で酸化され、導電性の高いオキシ水酸化コバルトに変化して電極の導電性を高める役割を果たしています。
導電剤としては、一般的には、水酸化コバルトが用いられ、図に示すように電池の中でアルカリ電解液に溶けて水酸化ニッケルの表面を被覆します。
水酸化コバルトは、最初の充電で酸化され、導電性の高いオキシ水酸化コバルトに変化して電極の導電性を高める役割を果たしています。
球状水酸化ニッケル
水酸化ニッケル
電池内でのコバルト化合物の酸化
FDKの独自技術
FDKでは、図のように水酸化ニッケルにあらかじめ水酸化コバルトを被覆し化学酸化させた高導電性コバルト化合物を被覆した水酸化ニッケルを正極材料として用いています。
当社独自の活物質の特長は以下の通りです。
当社独自の活物質の特長は以下の通りです。
- 化学酸化によるNaを結晶構造に取り込んだ特殊な結晶構造
- コバルトの価数が高く、導電性や耐久性に優れる
高導電性コバルト化合物を被覆した水酸化ニッケルを用いた電池は、高容量かつ高耐久性に優れた高性能な電池特性を有します。
FDKでの分析事例紹介
当社では、株式会社富士通研究所の協力の下、SPring8等の放射光X線装置を用いた結晶構造の解析や、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察を行っています。これらの分析結果より、化学酸化したオキシ水酸化コバルトは、電気化学酸化したオキシ水酸化コバルトより高いコバルトの価数を有し、Naを含んだ特異的な結晶構造であることを確認しました。※1
※1:ECS Transactions, 66 (8) 19-27 (2015)
放射光XAFS分析による表面Co層の価数分析結果
酸化 方法 |
水酸化Niに 被覆した Co価数 |
導電性 | ||
---|---|---|---|---|
電極 作製 後 |
電池 充放 電後 |
電池 充放 電後 |
||
FDK | 化学 酸化 |
3.15 | 3.22 | 1x10-1/Ω・㎝ |
Co添 加法 (他社) |
電気 化学 酸化 |
2.00 | 2.97 | 1x10-4/Ω・㎝ |
コバルト化合物を被覆した水酸化ニッケル表面のSTEM像およびEDX分析
水酸化ニッケル表面にNaとCoが共存した層が均質に被覆した、コバルト化合物層を確認。
被覆したコバルト化合物の放射光XRDによる結晶構造解析
Naを結晶内取り込んだために、c軸長が伸長し、a軸長が収縮しため、従来とは異なる結晶構造を有するため、XRDプロファイルで異なるピークが発生していることを確認。