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電池特性予測技術

高精度な電池の特性シミュレーション

電池の設計開発では、実際に電池を試作し、電池の特性を評価することの繰り返しが求められますが、評価に時間を要するのが課題です。
そのため、開発を加速し効率化するには、電池の特性を予測する技術が不可欠です。現在では電池の動作をシミュレーションするさまざまな手法が提案されており、この技術は、電池の充放電制御や電力マネージメントへの応用も進んでいます。

FDKの独自技術

FDKでは、下図に示すニッケル水素電池の理論式や自社で解析した充放電のメカニズムに基づき、電極界面における化学反応の進行を計算し、任意の充放電条件や温度における電圧カーブや保存特性を予測する手法を開発しています。

ニッケル水素電池の充放電反応モデル

ニッケル水素電池の充放電カーブの予測

右図は、ニッケル水素電池を温度を変えながら定電流で充電し、電圧カーブの計算値と実測を比較したグラフです。固有の反応現象を考慮することで、広範な使用環境の下で高い予測精度を実現しています。

充電カーブの計算値と実測値の比較

ニッケル水素電池の保存特性の予測

右図は、ニッケル水素電池を長期保存した場合の残存容量のシミュレーション値と実測値の比較です。ニッケル水素電池の自己放電のメカニズムから推定したシミュレーション値は、約2年(720日)後でも実測値とほぼ一致しています。

長期保存時の電池の残容量のシュミレーション値(線)と実測値(点)の比較